企画展開催スケジュール
2013年4月17日(水)-4月25日(木)笠井 誠一 展
2013-02-28
笠井 誠一 展 SEIICHI KASAI
-よりシンプルに、よりあざやかに-
4月17日(水)-25日(木)
レセプション:初日5:30p.m.~7:00p.m.
笠井先生を囲んでレセプションを開催いたします。
皆様のご来駕をお待ち申し上げます。
笠井先生を囲んでレセプションを開催いたします。
皆様のご来駕をお待ち申し上げます。
笠井誠一個展によせて
先日、作家調査のため富山に向かった。市内のあるギャラリーにはフジタをはじめフランスに学んだ日本人画家の作品が並んでいた。そのなかに見覚えのある“ヴァイオリン”の作品が目に入ってきた。ヴァイオリンは大きな音でこちらを呼んだのではなく、キャンバスの向こうから笑いながら手招きしているようだった。若き洋画家 笠井誠一滞仏時の油彩〈ヴァイオリンのある静物〉10号だ。当時の特徴である透明感あふれた暖色と寒色は、鬩ぎ合いながらも調和しており色彩が耳に語りかけてくるのである。その後、画家の人生とともに色彩は変化し、平面としての強さが増していくのだが、決して画面には見るものに押し付けるような騒々しさはない。
笠井の作品はシンプルである。卓上静物の陰はテーブルに写っておらず、モチーフのなかに若干の影と輪郭線があるだけである。そしてシンプルではあるが単純ではない絶妙なバランスを保っている。画家は遥か遠い山の頂上を目指し、長い年月をかけて画面を整理していったのだろう。だが、画家は80歳を越えた今でも日夜研鑽を積み、更なる境地へと向かおうとしている。よりシンプルに、よりあざやかに。
笠井の作品はシンプルである。卓上静物の陰はテーブルに写っておらず、モチーフのなかに若干の影と輪郭線があるだけである。そしてシンプルではあるが単純ではない絶妙なバランスを保っている。画家は遥か遠い山の頂上を目指し、長い年月をかけて画面を整理していったのだろう。だが、画家は80歳を越えた今でも日夜研鑽を積み、更なる境地へと向かおうとしている。よりシンプルに、よりあざやかに。
古道谷朝生(網走市立美術館 学芸員)
略歴
1932/札幌生 57/東京芸術大学(伊藤廉教室)卒 59~66/滞仏。パリ国立美術学校に学ぶ 60~65/サロン・ドートンヌ(62年出品作はフランス政府の買上げとなる)、サロン・ナショナル等に出品 67/愛知県立芸術大学勤務 68~1/1名古屋画廊にて個展(20回) 74~9/8黎の会展 74~03/名翔会展 77~00/和の会展 82~84/国際形象展 85/立軌会同人となる 91/名古屋市芸術賞芸術特賞 96/ポメリー中部文化賞 01/安田火災東郷青児美術館大賞受賞・同記念展(安田火災東郷青児美術館) 07~09/両洋の眼・現代の絵画展
現在 立軌会同人 愛知県立芸術大学名誉教授