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企画展開催スケジュール

2011年9月2日(金)-8日(木)藤田 嗣治 展
2011-04-01
《裸婦立像》1923年作
藤田 嗣治 展 TSUGUHARU FUJITA
-東と西を結ぶ芸術-
9月2日(金)-8日(木)
 
東と西を結ぶ芸術
藤田嗣治を一躍エコール・ド・パリの寵児に押し上げたものといえば、言わずとしれた「グラン・フォン・ブラン(素晴らしい白の下地)」である。鈍い光沢を放ち、しっとりとして滑らかな上に、かすかな温もりすら感じさせるこの白い下地は、まさに藤田の狙い通り、裸婦の柔らかな肌の質感そのものであった。しかし、もはや伝説と化したこの白い下地に目を奪われるあまり、その上に引かれた流麗な線の美しさを見落とすようなことがあってはならない。藤田の引く線は、単にものの形を空間に浮かび上がらせるだけではない。驚くほど均質でありながら、単調にも機械的にもならず、それ自身が生命を持つかのごとく画面を走る線の素晴らしさは、まさに名人芸。優美にして表情豊かな線を目で追えば、いつまでも飽きることがない。この線の魅力を最大限に引き出すために、白い下地は編み出されたのではないか、とすら思えるほどである。線の美しさを活かす余白としての下地であり、同時に肌の温もりを感じさせる確かな存在感を備えた下地。それは東洋と西洋の間に見事に花ひらいた藤田嗣治の芸術そのものであった。
深谷 克典(名古屋市美術館学芸課長)
 
略歴
1886/東京生。1910/東京美術学校(現・東京芸術大学)卒。13/渡仏。20/独自の乳白色がサロンで大きな反響を呼ぶ。エコール・ド・パリの主要画家として活躍しだす。40~49/在日本。55/フランスに帰化。68/逝去(81歳)。
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