企画展開催スケジュール
2013年10月11日(金)-10月26日(土)松尾 藤代 展
2013-09-20
Living with Contemporary Art-No.17
松尾 藤代 展 FUJIYO MATSUO
-自らの光を探す-
10月11日(金)-10月26日(土)
松尾藤代さんの仕事
松尾藤代さんの光の絵から持続的に出てくる柔らかい光は、ゴシック寺院の大きな窓からの強いものではなく、ロマネスクの寺の壁から沁み出てくるようなものでしょう。また、日本古来の障子からの包み込むような暖かいものを感じます。
画面は瞑想的ともいえますが、ロスコのような複雑な感覚の奥底に引き込むそれではないと思います。単純な矩形の窓であろうものも、油彩画の塗りの深さ、堅牢な画質によって補われており、不思議感があり、見ていて飽きないものにさせているように感じます。
そして、内発性と強い意志が絵画する背後に見えてきて、絵のための絵に陥らず、自らの光を探し、その光で自らの足元も照らして歩いていると思われます。加えて、アーチストの前にアルチザン(職人)であることを忘れてはいない。
現代美術の大きな課題、「芸術のための芸術は不毛を招く」と百数十年前にボードレールが言っていたことを作家たちが考えなければいけない今日、松尾さんは“探すこと”を仕事としている稀有な存在かと思います。
画面は瞑想的ともいえますが、ロスコのような複雑な感覚の奥底に引き込むそれではないと思います。単純な矩形の窓であろうものも、油彩画の塗りの深さ、堅牢な画質によって補われており、不思議感があり、見ていて飽きないものにさせているように感じます。
そして、内発性と強い意志が絵画する背後に見えてきて、絵のための絵に陥らず、自らの光を探し、その光で自らの足元も照らして歩いていると思われます。加えて、アーチストの前にアルチザン(職人)であることを忘れてはいない。
現代美術の大きな課題、「芸術のための芸術は不毛を招く」と百数十年前にボードレールが言っていたことを作家たちが考えなければいけない今日、松尾さんは“探すこと”を仕事としている稀有な存在かと思います。
赤塚一三(画家・写実画壇運営委員)
略歴
1968/大阪市生 91/大阪芸術大学卒。
個展:95/大阪府立現代美術センター 97/CUBIC GALLERY(大阪) 02/村松画廊(東京) 07/仙台市博物館 08/ソフトマシーン美術館(香川県) 10・12/名古屋画廊。 グループ展:96/フィリップモリスアートアワード(スパイラルガーデン/東京) 97/ビエンナーレまくらざき<佳作賞>(鹿児島県)、吉原治良賞美術コンクール<優秀賞>(大阪府立現代美術センター)、Depth of Focus 絵画の焦点深度と浸透圧について(芦屋市立美術博物館/兵庫県)、光の方へ・・・(京都市美術館) 98/VOCA '98(上野の森美術館/東京)、シェル現代美術賞展(目黒区美術館) 99/現代日本絵画の展望展(東京ステーションギャラリー) 00/水晶の塔をさがして(福岡市美術館)、光の記憶 Memory/Space(ヨコハマポートサイドギャラリー/神奈川県) 02/いま、話そう-日韓現代美術展(国立国際美術館/大阪、韓国国立現代美術館/ソウル) 05/光りの絵画展(名古屋画廊)ほか。2011~ケルン(ドイツ)在住。
所蔵:国立国際美術館、千葉市美術館、福岡市美術館ほか。