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企画展開催スケジュール

10月30日(金)-1月18日(土)巨匠にみる「絵とは何か」展
2019-11-01
中村彝 《婦人像》 1922年頃 53.0×45.3cm(10F) 油彩・キャンバス
中村彝《婦人像》1922年頃 10F

巨匠にみる「絵とは何か」展
11月29日(金)’19-1月18日(土)’20
10:00a.m.-6:00p.m. 日・祝休廊

*出品予定作家
上村松園、北川民次、熊谷守一、小山敬三、高村光雲、中村彝、菱田春草、前田青邨、牧野義雄、三岸好太郎、村山槐多、山口薫、和田英作、ブールデルら。
(※会期中、展示替えを行います。)

 

中村彝《婦人像》について
婦人の姿をとらえる中村彝の伸びやかな筆致が、よくうかがえる晩年の作品である。表情や衣服が微に入り細に入り描かれているわけではなく、粗く見えるところもあるが、彝の筆が、ここで彼の心の動きと巧みに連動しているようにみえる。それがこの絵にある種の感慨や驚きを喚起して、彼の肖像画の大きな特徴となっている。一方で、色使いは、薄塗りながら洗練されており、画面に奥行と深い味わいを生み出していてすがすがしい。
彝は、不治の病と恐れられていた結核を罹っており、苦しい闘病生活を余儀なくされながら、短い生涯に、いくつかの忘れることの出来ない作品を残した。ミレーやゴッホの影響を受けて「芸術の無限感」を唱え、この作品のように「自然直写」(仏語でドュプレナチュール)を標榜し、いずれもが画面のマチエール(質感)に優れている。
この婦人像は、対看写象によって美しいマチエールを生み人々の心を引き付ける。それは、彼の絵に賭ける情熱のしからしめるところで、その清楚な表情には彼の特色が如何なく発揮されている。この作品を残して彝は37歳で没した。         金原宏行(元豊橋市美術博物館館長)

 

中村彝略歴:1887/茨城県生。1901~04/名古屋陸軍地方幼年学校在学、卒業。15/文展〈二等賞〉。16/文展〈特選〉。20/帝展に《エロシエンコ氏像》(重要文化財)を出品。24/逝去(37歳)。

 

 

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