企画展開催スケジュール
2014年9月2日(火)-9月6日(土)生誕110年 市野長之介展
2014-08-31
生誕110年 市野 長之介 展 CHONOSUKE ICHINO
-フォーヴィスムの名古屋-
9月2日(火)-9月6日(土)*最終日は午後4時まで
(市野長之介君のこと)
大正末より昭和初期にかけて、名古屋は、美術の歴史的展開の上で、注目すべき時期を迎えていた。それは、実に壮麗な時代でもあった。固いひからびた旧派にかたまった綜合展である東海美術展に飽き足らない若い新進作家たちがめざましい活動を展開した。市野長之介君は、その一つのアザミ会に属していた。
その頃から最近の二紀会にいたるまでの画歴は、まことに注目すべきものがある。地味で含みのある色と造形、華やかさが重厚のヴェールをかけて、ムックリした素朴な内面、終始一貫した素朴な作風、地味であるが親しく話しかけてくる作品の数々は、他の追随を許さぬものであった。独自の芳香を感ぜしめる。だから作品に対していると、いつまでも飽くことがない。自然に画中の中に溶け込んでしまっている。
市野さんはそんな作家である。今の多くの作家のように新らしい感覚もなく、真の意味の美の創造もわからないくせに、無暗に奇を衒うとういようなところが微塵もない。
その頃から最近の二紀会にいたるまでの画歴は、まことに注目すべきものがある。地味で含みのある色と造形、華やかさが重厚のヴェールをかけて、ムックリした素朴な内面、終始一貫した素朴な作風、地味であるが親しく話しかけてくる作品の数々は、他の追随を許さぬものであった。独自の芳香を感ぜしめる。だから作品に対していると、いつまでも飽くことがない。自然に画中の中に溶け込んでしまっている。
市野さんはそんな作家である。今の多くの作家のように新らしい感覚もなく、真の意味の美の創造もわからないくせに、無暗に奇を衒うとういようなところが微塵もない。
熊澤五六(徳川美術館名誉館長)
*『画業50年 市野長之介自選展』(1979年、松坂屋本店)図録より抜粋。
略歴
1905/名古屋市生 29/二科展初入選 35/全関西洋画展〈朝日奨励賞〉 41/二科展〈後援会賞〉 42/二科会会友 46/二紀会創立同人 48・55/二紀展〈同人賞〉 75/二紀展〈鍋井賞〉 87/逝去(82歳)