企画展開催スケジュール
2015年5月21日(木)-5月30日(土)坂口紀良展
2015-05-15
坂口 紀良 展 NORIYOSI SAKAGUCHI
-エスプリが、生命の輝き-
5月21日(木)-5月30日(土)
坂口紀良展の新作を見る
明快で、清澄なフランスのエスプリを感じさせる坂口さんの室内静物、南フランス風景は、筆が走り、空はあくまで青い。窓辺の景色は、絵を描く喜びにあふれている。
エスプリが生命の輝きとなり画面に充溢して爽快である。天与のものもあろうが、フランス滞在によって、こうしたエスプリを吸収したこと、それが画面に醍醐味をもたらし、室内のピアノや花瓶は、画面に奥行をあたえ、絶妙のコンポジションである。
マティスは、生涯を通じてフォーヴであったが、東洋の易学を研究し、色彩もそうしたものから決定し、顔の色彩は、その最たるものであるという。
かつて一見平明なマチィスの《ダンス》を見て、その人体の動きに瞠目したが、坂口さんの造形密度の純度には、マティスの影響があると思う。
坂口さんのガラス絵は、日本のガラス絵に近代性をあたえた小出楢重同様、面白い。タブローの展開としてガラス絵をとらえ、艶やかな色彩が生きているからである。
自然の豊かな恵みを描き、苦心の跡を少しも見せず、音楽が聞こえてくる。その手際のよさは、芸大の中根教室で学んだものかもしれないが、坂口さんが音楽愛好者であること、それが画面にリズムを奏でているに違いない。
エスプリが生命の輝きとなり画面に充溢して爽快である。天与のものもあろうが、フランス滞在によって、こうしたエスプリを吸収したこと、それが画面に醍醐味をもたらし、室内のピアノや花瓶は、画面に奥行をあたえ、絶妙のコンポジションである。
マティスは、生涯を通じてフォーヴであったが、東洋の易学を研究し、色彩もそうしたものから決定し、顔の色彩は、その最たるものであるという。
かつて一見平明なマチィスの《ダンス》を見て、その人体の動きに瞠目したが、坂口さんの造形密度の純度には、マティスの影響があると思う。
坂口さんのガラス絵は、日本のガラス絵に近代性をあたえた小出楢重同様、面白い。タブローの展開としてガラス絵をとらえ、艶やかな色彩が生きているからである。
自然の豊かな恵みを描き、苦心の跡を少しも見せず、音楽が聞こえてくる。その手際のよさは、芸大の中根教室で学んだものかもしれないが、坂口さんが音楽愛好者であること、それが画面にリズムを奏でているに違いない。
金原宏行(美術評論家、豊橋市美術博物館館長)
略歴
1948/愛知県豊橋市生。72/東京芸大(中根寛教室)卒、卒業制作文部省買い上げ〈安宅賞〉。74/同大学院修了。74~85/朝の会展。77~79/滞仏。83/油絵大賞展(東京セントラル美術館)招待出品。84~86/和の会展(銀座和光)招待出品。90/ニュ-ア-ティストウェ-ブ展。92/多摩湖畔にアトリエを構える。96~10/光の会展(銀座和光)。98・08/名古屋画廊個展。
現在 立軌会同人。