企画展開催スケジュール
2015年11月19日(木)-28日(土)田口貴久展
2015-11-16
田口 貴久 展 YOSHIHISA TAGUCHI
-揺るぎない造形と確かさ-
11月19日(木)-28日(土)
田口貴久展によせて
田口貴久氏と出会って40年になります。学生時代から今日に至るまで彼の作画姿勢は小さな横ブレを見せながらもその方向は一貫としたものであり伝統的具象の流れの中にあったといえます。それは彼自身が感じる今日的コンテンポラリーアートに対する強い違和感からくるものであり、彼の言葉を借りれば「現代美術の多くは理性偏重な態度で怠惰を隠した、ただのパズルに過ぎない。人間の深層に切り込む何物もない」と言い切る。彼の口から吐き出された、この言葉の意味とその真理性を立証する行為として、彼の作画は続けられてきたように思われる。では、彼の横ブレとは何だったのか、この問題点への解答が作品から見えたとき、田口氏が「過去」を乗り越えた時、自らを更に確立できるであろうと私は常々思っているところです。この度、田口氏が名古屋画廊で個展を開催されると聞き、大いに期待し、また、発表される作品の全てが、私が送る彼へのエールの答えとなっているものと信ずるものです。美術を模索する我々にとっての定義ともいえる「揺るぎない造形と確かさがなければ、そこに感動もなく存在性も薄い」というある先輩の言葉を、名古屋画廊の会場一杯に展示された田口作品から認識できるであろうと楽しみにしています。
田口貴久氏と出会って40年になります。学生時代から今日に至るまで彼の作画姿勢は小さな横ブレを見せながらもその方向は一貫としたものであり伝統的具象の流れの中にあったといえます。それは彼自身が感じる今日的コンテンポラリーアートに対する強い違和感からくるものであり、彼の言葉を借りれば「現代美術の多くは理性偏重な態度で怠惰を隠した、ただのパズルに過ぎない。人間の深層に切り込む何物もない」と言い切る。彼の口から吐き出された、この言葉の意味とその真理性を立証する行為として、彼の作画は続けられてきたように思われる。では、彼の横ブレとは何だったのか、この問題点への解答が作品から見えたとき、田口氏が「過去」を乗り越えた時、自らを更に確立できるであろうと私は常々思っているところです。この度、田口氏が名古屋画廊で個展を開催されると聞き、大いに期待し、また、発表される作品の全てが、私が送る彼へのエールの答えとなっているものと信ずるものです。美術を模索する我々にとっての定義ともいえる「揺るぎない造形と確かさがなければ、そこに感動もなく存在性も薄い」というある先輩の言葉を、名古屋画廊の会場一杯に展示された田口作品から認識できるであろうと楽しみにしています。
神戸峰男(名古屋芸術大学名誉教授・日本芸術院会員)
略歴
1953/愛知県豊川市生。76/名古屋芸大卒。78/愛知県立芸大大学院修了。83~95/アッサイ21展(愛知県美術館等)。85~92/名爽会展(名古屋画廊)。 86/ジャパン絵画大賞展〈佳作〉。93~13/名古屋画廊個展7回。94~95/滞仏。2000~02/和の会招待出品(銀座 和光)。04/田口貴久展(網走市立美術館)。07~/笠の会展(松阪屋)。14/ヴェロン展(一宮市三岸節子記念美術館ほか)。現在 立軌会同人、名古屋芸術大学教授。
個展:ギャラリー和田、名古屋松坂屋、高輪画廊ほか。
個展:ギャラリー和田、名古屋松坂屋、高輪画廊ほか。