企画展開催スケジュール
2016年9月1日(木)-15日(木)庄司達展
2016-08-01
Living with Contemporary Art -No.18
庄司 達 展 SATORU SHOJI
9月1日(木)-15日(木)
レセプション:初日5:30p.m.~7:00p.m.
皆様のご来駕をお待ち申し上げます。
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“人間と物質のあいだ”の向こう側
庄司達さんの作家デビューは、桜画廊での初個展「白い布による空間」(1968年)とされている。作家や評論家も混沌たる社会状況に応答しながら、新しい美術を希求して発信する機運がみなぎっていた時代。母校に勤務する28歳の若手高校教師は、まさに絶好のタイミングで“作家”になった。
翌年、桜画廊に続いてgalerie16(京都)で行った個展は「赤い布による空間」。10枚ほどの赤いカーテンが画廊空間に等間隔で垂れ下がった。前年の白い布はフレームの中で完結した造形美を誇示したが、ここでは人間を阻む物質性が明示された。これを契機に「第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ’70)」に参加、庄司さんはコンセプチャル・アートの動向に呼応し、その渦中でも活躍の場を得ていった。
近年、東京ビエンナーレのみならず「映像表現’72」展(京都市美術館)の再現展示がされるなど、70年代の先鋭的な美術動向の検証に注目が集まっている。アーカイヴの限界を自覚しつつも、名古屋でもその意義と可能性を見極めた実践が期待されるところだ。2016年秋、喜寿を迎えるこの作家の新作個展。名古屋画廊に張り廻らされる白い布の間から、“人間と物質のあいだ”の向こう側を見渡したい。
翌年、桜画廊に続いてgalerie16(京都)で行った個展は「赤い布による空間」。10枚ほどの赤いカーテンが画廊空間に等間隔で垂れ下がった。前年の白い布はフレームの中で完結した造形美を誇示したが、ここでは人間を阻む物質性が明示された。これを契機に「第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ’70)」に参加、庄司さんはコンセプチャル・アートの動向に呼応し、その渦中でも活躍の場を得ていった。
近年、東京ビエンナーレのみならず「映像表現’72」展(京都市美術館)の再現展示がされるなど、70年代の先鋭的な美術動向の検証に注目が集まっている。アーカイヴの限界を自覚しつつも、名古屋でもその意義と可能性を見極めた実践が期待されるところだ。2016年秋、喜寿を迎えるこの作家の新作個展。名古屋画廊に張り廻らされる白い布の間から、“人間と物質のあいだ”の向こう側を見渡したい。
高橋綾子 (名古屋芸術大学教授)
略歴
1939/京都市生。名古屋市で育つ。62/京都市立美術大学彫刻科卒。68~92/桜画廊個展(16回)。68~11/galerie16 個展(京都)。79/名古屋市芸術奨励賞。95/浮かぶ布庄司達展(新潟市美術館)。98/久野真・庄司達展(愛知県美術館)。99 ~10/名古屋芸術大学教授。10/庄司達展(碧南市藤井達吉現代美術館)、愛知県芸術文化選奨文化賞。13・16/個展(名古屋画廊)。