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企画展開催スケジュール

2017年10月21日(土)-28日(土) 巨匠にみる「絵とは何か」展
2017-09-26
山口薫《あやこ 正月》1954年 油彩・キャンバス 8号
山口薫《あやこ 正月》1954年 8号
巨匠にみる「絵とは何か」展
-併催:山口薫展-
10月21日(土)-28日(土)
 
画家の眼差し―山口薫《あやこ 正月》によせて
 画家の愛娘を描いた詩情溢れるこの絵は、しかし決して情に流されることのない制作の本質が捉えられていると思います。
柔らかい色彩と筆使いでありながら、しかし黒色を基調とした顔のふっくらした大摑みな線に囲まれた少女の顔は、喩えようもなく美しく輝く白で描かれていて、両頬の淡いピンクが濃淡であることに、作品が単調に陥ることのないようにとの制作意図が感じられます。おおらかに黒い絵の具で描かれた丸髷を連想させる、画面を強く柔らかく引締めている豊かな黒髪の表現は、少女の目もと口もとのシャープな、そしてデリケートな表情を余すことなく表しているようです。
 頭部の背景に色どられた金泥を思わせる黄色は、右奥などの赤い色と相俟って作品のテーマ「あやこ 正月」の華やぎを見る人に伝えています。画中に、デッサンに使う木炭の描線が見られますが、この絵が描かれた1950年頃から次第に多用されて、その後の若い画家たちに新鮮な影響をもたらして大流行となったほどです。
 東京美術学校を卒業した年に渡仏し、ヨーロッパの文化を吸収して日本文化と融合した絵画を目ざした、その成果がこの絵に感じられます。
大津英敏(洋画家)
 
 
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