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企画展開催スケジュール

2月4日(金)-2月15日(火)名古屋画廊創業80年記念 笠井 誠一 展
《静物A》60F
名古屋画廊創業80年記念 
笠井 誠一 展

SEIICHI KASAI
2月4日[金]-15日[火]’22
11:00a.m.-6:00p.m. 日・祝休廊
(土曜日 12:00p.m.-5:00p.m.)
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■一塵も許さぬ絵画平面の構築―笠井誠一の画業       
                   馬場駿吉
近代の異色静物画家といえばジョルジョ・モランディの作品が念頭に浮かぶ。彼の遺した言葉には、自分がひたすら望むのは平穏と静謐だという意をこめたフレーズが知られていて、アトリエにある実際の壜や壷たちは、埃まみれで、光を失い、くすんだ状態だったというエピソードが伝えられている。笠井誠一さんのアトリエの内部が透見される近作を拝見する限り、制作の現場周辺はともかくとして一塵も許さないたたずまいの空間に違いなかろう。作品もそれを反映して極めて明晰。モランディとは全く世界を異にすることが明らかだ。壁の垂直面とテーブルや床の水平面を彩る均等、平穏な色面の配合は描かれた卓上の楽器にも音を出すことを忘れさせて静謐そのものだ。廃棄物の遺存を許さず、一瞬の雑音にもわずらわされることのない環境を社会の日常に見い出すことが困難な現代。そして世界的な規模で拡がる疫病パンデミックに脅かされる現在の様相の中にあっては、笠井さんの絵画世界がいかに貴重な存在であるかが実感させられる。静物画の美術史をたどると、<メメント・モリ=死を忘れるな>という宗教的、教訓的な想念をこめた言葉が呼びもどされるのだが、笠井さんの作品は<生きることを忘れるな>という逆の警句を含んだものとして受け取ることが出来るのではないか。(美術評論家)

■略歴
1932/札幌生。57/東京芸大(伊藤廉教室)卒。59~66/滞仏、パリ国立美術学校に学ぶ。60~65/サロン・ドートンヌ(62年出品作はフランス政府の買上げとなる)、サロン・ナショナル等に出品。67/愛知芸大勤務。68~22/名古屋画廊にて個展(23回)。74~98/黎の会展。74~03/名翔会展。77~00/和の会展。82~84/国際形象展。85/立軌会同人となる。91/名古屋市芸術賞芸術特賞。96/ポメリー中部文化賞。01/安田火災東郷青児美術館大賞受賞・同記念展(安田火災東郷青児美術館)。07~09/両洋の眼・現代の絵画展。15/笠井誠一展(札幌芸術の森美術館)。18/笠井誠一展(練馬区立美術館)。現在 立軌会同人、愛知芸大名誉教授。


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