企画展開催スケジュール
2019年8月2日(金)-8月31日(土) 石川 九楊 展
2019-07-01
石 川 九 楊 展
KYUYO ISHIKAWA
-書は筆蝕の美である-
8月2日(金)-8月31日(土)’19
10:00a.m.-6:00p.m.
休廊:8月10日[土]~18日[日]および4日[日]、25日[日]
名古屋画廊作家在廊日:8月9日[金]4:00p.m.-6:00p.m.
8月28日[水]2:00p.m.-6:00p.m.
【関連講演会】書の見方」 講師:石川九楊
8月3日[土] 5:30p.m.~6:30p.m. アート倶楽部カルチェ・ラタン 名古屋池下
URL:http://www.quartier-latin.jp Tel.052‐751‐8033 ※要予約
古川美術館・分館爲三郎記念館 特別展「第二楽章~書だ!石川九楊」展
8月3日[土]-10月6日[日]’19 10:00p.m.~5:00p.m(入館は4時30分まで) 月曜休館(祝日の場合翌休日)
石川九楊講演会:「書ほど面白いものはない」 ※要予約
日時:9月19日[木] 1:30p.m.~3:00p.m. 参加費:500円(別途2館共通券必要)
場所:ルブラ王山 申し込み:電話、古川美術館フロントにて先着順
なぜ、いま「書」なのか― 石川九楊展の開催にあたって
石川九楊先生によれば、東アジア漢字文明圏において書は美術であるよりむしろ文学に属するという。美術は書から派生。ゆえにわが国で絵画は洋画や現代
アートでさえ文学として読まれてしまいがちだとか。一方、アルファベットという声音文字をもつ西洋では、音楽から美術が派生。そのため純粋な造形が成りたつのだという。
「筆尖と対象との間の接触と抵抗と摩擦と離脱であるところの筆蝕に従って思考しつつ詩や文はつくられていく。いわば、筆蝕が思考するのだ。…おそらく、『書は筆蝕の美である』ととらえれば、書についても文学についても、数々の疑問は氷解するはずである」。ワープロ文字全盛のこんにち、まして千年もの昔から世界で唯一3種もの文字、すなわち漢字に加え平仮名とカタカナを駆使する私たち日本人であってみれば、今こそ「書」を見直さなければならない。
石川先生は、執筆や講演などのときと書の制作のおりでは使う脳がちがうと言う。そして、講演などのあとで制作はしづらく、その逆ならじゅうぶんに可能だとのこと。あくまで書が優位に立つということか。
かつて「一流の思想家で二流の詩人」と評される作家がいた。だが、この度は古川美術館さんと私どもの二会場において、超一流の書家と超一流の思想家が一如となった世界が開示されるのである。 中山真一
略歴
1945年福井県生。京都大学法学部卒業。京都精華大学教授(同大学文字文明研究所所長等を歴任)。2017年 書だ!石川九楊展(上野の森美術館)。現在、書家、評論家、同大学客員教授。主著:『書の終焉』1990年〈サントリー学芸賞〉。『中國書史』1996年。『日本書史』2001年〈毎日出版文化賞〉。『筆蝕の構造』2003年。『近代書史』2009年〈大佛次郎賞〉。『二重言語国家・日本』2011年。『日本語とはどういう言語か』2015年。『石川九楊著作集』全12巻2017年。