企画展開催スケジュール
2017年4月1日[土]-10日[月]井上有一 展
2017-03-01
井上有一 展 Yu-ichi INOUE
-火の玉のように生きた-
4月1日[土]-10日[月]
豪快な芸術家-井上有一
井上有一はついに20世紀後半の日本を代表する芸術家として各国に評価されるようになった。彼が一生を捧げた芸術は「書」だ。だが彼の仕事は、もはや「書」という言葉を連想させるものを超えている。だからこそ、書を知らず、したがって書の伝統や常識に縛られることなく、書作品をビジュアルアートのひとつとして見ようとする西洋人にも、多くの有一ファンが生まれたのだ。もとから国内よりも海外で評価が高い作家だった有一だが、1985(昭和60)年に没してからは、その名はさらなる速度で世界へ広がり、書の原郷である中国をはじめ、さらにファンを増やし続けている。
有一は書に生きた。金をかせぐためでもなく、趣味でもなく、人生と書を重ね合わせて、ただひたすら火の玉のように生きた。有一のこの生き方、生活と芸術を両立させようとして苦悩し続けたその人生、単純、実直で不器用だが、しかしそれゆえ自分を偉大な芸術家へと育て上げることになったその生涯は、われわれに今、多くの教訓と大きな希望を与えてくれている。
有一は書に生きた。金をかせぐためでもなく、趣味でもなく、人生と書を重ね合わせて、ただひたすら火の玉のように生きた。有一のこの生き方、生活と芸術を両立させようとして苦悩し続けたその人生、単純、実直で不器用だが、しかしそれゆえ自分を偉大な芸術家へと育て上げることになったその生涯は、われわれに今、多くの教訓と大きな希望を与えてくれている。
海上雅臣 (美術批評家)
略歴
1916/東京生 35/横川尋常小学校(東京)の教員となる41/上田桑鳩に師事 52/墨人会結成、機関誌『墨人』発行 54/「日本書道展」(ニューヨーク近代美術館) 55/「日米抽象美術展」(東京国立近代美術館)。「現代日本の書」展(ヨーロッパ巡回) 57/「第4回サンパウロ・ビエンナーレ」 58/ブリュッセル万国博記念「近代美術の50年」展 59/ハーバート・リード著『近代絵画史』に掲載。第2回「ドクメンタ」(カッセル/ドイツ) 61/「第6回サンパウロ・ビエンナーレ」。「現代絵画・彫刻ピッツバーグ国際展」 69/「現代世界美術展」(東京国立近代美術館) 71/寒川町立旭小学校校長(神奈川) 79/「JAPAN TODAY」展(シカゴ) 85/逝去(69歳) 89/「大きな井上有一」展(京都国立近代美術館) 2016/「生誕百年記念 井上有一」(金沢21世紀美術館)