企画展開催スケジュール
2017年7月8日(土)-7月15日(土) 伊津野雄二 展
2017-07-01
伊津野 雄二 展 YUJI IZUNO
-沈黙の詩が聴こえる-
7月8日[土]-15日[土]
沈黙の詩が聴こえる
夕刻、灯りを落とす前、展示室を一廻りし、“異常なし”と呟き扉を閉める―帰宅前の決め事です。展示室の高い位置から照らすライトが、まぶたの下に柔らかな陰をつくっています。顔を寄せると、その奥には薄蒼く瞳が刻まれてあり、伏し目がちに静かに一点を見据えているのです。その眼差しの強さに思わずうろたえます。不意に作家の情念の芯の部分に触れてしまった気がして。口元に視線を落とします。気品と慈しみを宿した唇は細く開かれ、漏れ出るのは悠久のときを生きる呼吸でしょうか。母なる者の命の鼓動でしょうか。照明を落とせば翌朝までの闇の空間です。その間、暗い静寂の中では木彫たちの吐息が漂うのです。きっと。
佐藤 修(東御市梅野記念絵画館館長)
略歴
1948/兵庫県生まれ 69/愛知県立芸術大学美術学部彫刻科中退 75/知多工房を設立 木彫、家具木工芸を手がける 80年代より建築、装飾美術を手がける 75‐88/知多工房として個展 彫刻個展:97/豊田市美術館ギャラリー 98/煥乎堂ギャラリ(前橋市) 00/名古屋画廊(以後6回) 2001~/ギャラリー椿(東京)、日本橋髙島屋、新潟絵屋、ギャラリー島田(神戸) 17/東御市梅野記念絵画館