企画展開催スケジュール
7月29日(金)-8月27日(土)櫃田 伸也 展 -「創造」がそのまま絵の空間へ -
櫃田 伸也 展
NOBUYA HITSUDA
-「創造」がそのまま絵の空間へ -
7月29日[金]-8月27日[土]’22
11:00a.m.-6:00p.m. 日・祝休廊
(土曜日 12:00p.m.-5:00p.m.)
※夏季休廊:8月11日[木]~21日[日]
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■「創造」がそのまま絵の空間へ
―櫃田伸也展によせて
拝戸 雅彦
櫃田伸也 (1941年東京生まれ)はまず壁を描いた。壁に架ける絵として。風景らしい、風景のない、土地で描き続けた。というより、描くしかなかった。線によるグリッドは対象を絵の中に固定するツールでもなく、対象を転写するためのツールでもない。そのグリッドが描かれなければ、そこは何もない場所。直線で繋がなければ、何も起こらない。でも、定規で引かれたような線は、次第に身体的な、運動感のある線へと変化する。観念的だった線が、生命の兆しを感じさせる、創造へと変貌した、のである。その創造がそのまま絵の空間となる。描き続ける日常もまた、生きた場所と時間となる。
櫃田は愛知県芸術大学のある長久手でやりなおそうとしたのだ。日本の近代絵画とアメリカの絵画を背に、長久手という場所から、絵画をあたかも建築図面を書くようにしてやりなおす。まだ風景ですらない。でも、始めるしかない。まずは風景を作るところから、である。
こうして、櫃田は捨てて一人で始める。そう、イタリアの聖人フランチェスコのように。
櫃田は愛知県芸術大学のある長久手でやりなおそうとしたのだ。日本の近代絵画とアメリカの絵画を背に、長久手という場所から、絵画をあたかも建築図面を書くようにしてやりなおす。まだ風景ですらない。でも、始めるしかない。まずは風景を作るところから、である。
こうして、櫃田は捨てて一人で始める。そう、イタリアの聖人フランチェスコのように。
(愛知県美術館館長)
■略歴:1941/東京都生。66/東京藝大院卒。75-01/愛知県芸大勤務。84/名古屋市芸術奨励賞受賞。85/安井賞受賞。01-09/東京藝大教授。09/「放課後のはらっぱ-櫃田伸也とその教え子たち-」展(愛知県美術館・名古屋市美術館)。11/「損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞記念 櫃田伸也展-通り過ぎた風景-」(損保ジャパン東郷青児美術館)。
■本展リーフレット